重度の歯周病治療

重度歯周病の治療は、その状態により可能な治療の選択が多岐に渡り、患者さんの要望も含めて総合的に進めて行きますが、基本にあるのはプラークコントロールで、さらに失われた組織の回復が必要になります。重度の歯周病治療こそ、歯周病専門医が最もその力を発揮する分野といえます。また、可能な限り歯を残すことを目標としますが、全体の長期的安定を考えて、やむを得ず抜歯をお勧めする場合もあります。

歯周外科処置

中等度まで進行してしまった歯周病では、歯周ポケットは深くなっており、歯ぐきの奥に歯石ができています、通常ルートプレーニングという処置を行うのですが、なかなか歯ぐきの奥の歯石を取り切れるものではありません。このような場合には、しっかり麻酔をして、歯肉を切開し、歯の根を確認しながら歯石を完全に除去してしまう方が効果的です。

歯周外科処置（フラップ手術）の流れ

中等度の歯周病も、一見、見た目にはその深刻さがわかりにくいのです。

しかし歯ぐきの内部では歯を支える骨が失われ、歯の根の方にまで歯石やプラークがこびりつき、細菌の温床になっています。ブラッシングではどうする事も出来なくなっています。

しっかり麻酔をして、歯ぐきを切開します。歯の根の方にこびりついた歯石も肉眼で確認しながらきれいに除去することができます。

歯の根の部分の歯石もきれいに除去したら、縫合します。

完全に感染が除去され、すこしだけ歯ぐきが下がり後に引き締まり、清掃性も良くなります。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって歯を支える骨が失われてしまった部分に対して、骨を再生させる治療です。

フルマウスディスインフェクション

フルマウスディスインフェクションは、短期間で集中して行う歯周病治療のことで、全ての歯の歯周病治療を1回の治療で終わらせます。歯周病を治療するには、感染源である歯周病菌を全て除去必要があります。通常の保険治療の場合、口腔内を4～6ブロックに分けて、数回来院いただき、感染部分を除去していきます。対して、フルマウスディスインフェクションでは、全ての歯の歯周病治療を1回で行うため、口腔全体の感染部分をを一挙に除去し、治療期間中の再感染のリスクも事実上無くなることになります。またフルマウスディスインフェクションでは、菌血症も予防するため、抗生剤も併用します。

歯周補綴

歯周病が進行し、歯を支える骨が失われていくことで、だんだんと歯がグラグラと動くようになって（動揺）きます。この場合、食事を噛むことに支障がでるようになります。このようなケースでは、同様している歯同士をつなぐような被せ物によって歯を安定させます。ブリッジにする場合やコーヌステレスコープでも同様のことが可能です。